第9章 囲碁の本質 まとめ
1 制約の重要性制約という言葉は、囲碁では今まで全く使用されていませんが、この制約という概念は、数多く場面での着手選択での基本価値であり、効率であるため、その理解は、非常に重要な学習概念になっています。 (1) 制約という意識と学習
囲碁の教材の多くのは、制約の問題練習といえます。なぜなら、実際に起きない問題が多くあり、特に死活問題においては、相手の石を殺す場面は現れません。このため、これらは、制約の問題として勉強しているのであって、特に中盤からヨセまでの構想や戦略においては、それらの知識をそのまま覚えることで使用できえるのではなく、相手への制約の中で祖の知識は、活用されています。 (2) 制約解除打たれた石は、基本的に「無駄に取られてはいけない」といういう制約がかかっています。このため、いかにはやく、この制約を解除するかが、技術になります。制約を解除する場合には、相手の動きと周囲の状況によって、効率よく「捨てる」か「生きる」ことが必要になります。この制約が大きくなり、片方の負担のみになると、「先手」「必然性」「連続性」という新たな効率が生まれます。 |
(3)「地の式」が示す意味とは地の生成量 =地の可能量 X 確定率 (4) 制約が生まれる理由制約が生まれる理由は |
2 構想の自由性を争う構想の自由性は、「攻める可能性」「守る危険性」の2つで測定されます。攻める可能性が大きく、守る危険性が小さくなると、構想の自由度は大きくなり。勝つ可能性が大きくなります。自分の危険性は解除しようとする場合に、相手からの反撃があるのに、自分から一方的に消極的な解除を行うと、かえって相手からの厳しい制約の手が生まれることになります。このため、攻められる危険性がある場合には、戦いながら確定性を高め、危険性を解除することになります。 (1) 2つの以上の制約条件が達成できると効率がいい。
構想では、相手を制約することで、自分の可能性を残すかのが理想ですが、相手を制約すると、危険性が大きくなります。このため、相手を制約しながら、自分の制約を解除できることが理想になります。これが「攻めながら守る:という対局意識になります。このように2つ以上の構想目的が同時に達成できると、効率のいい手になります。 (2) 危険性が生まれることで効率差が生まれる。効率は、相手の自由性を奪うこと、また自分の確定性(安全性)を高めることに生まれています。つまり、生き確定するまでの間、相手から阻止する危険が生まれ、このことで着手効率に差が生じることにます。 |
(3)囲碁の特性【特徴】囲碁の特徴は、この手がいい手であるまた悪い手であるという一手の評価は非常に困難である。 【評価と予想】着手の最終評価は、確定しなければ評価できない。しかし確定するまでには、10手以上の手数が必要になる。その間に分岐点があれば、どのような確定が期待できるかの確実な予想ができない。 【流れによる予想】着手の評価は、打たれるタイミングによる周囲の状況によって一手打たれるごとに変化している。変化する大きな理由は、「確定性」「危険性」「可能性」「関連性」が変化するためである。特に見合い条件による関連性が変化すると、状況が大きく変わることが多い。 【制約】生きなければ石数が増えると、取られる損失が価値として最大になることから、石の必然の流れが生まれ、このことによって、効率差の確定地が生まれることになる。 |
4 構想の要件(制約条件)達成スピードの効率差 (1)囲碁の基本ルール
(1) 全体構想の効率
(2)制約の優先
(3)部分目的の法則
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(4)適応効率
(5)制約条件が生まれる理由
(7)状態変化とタイミング
(8)見合い条件での戦いと崩壊と確定
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5 囲碁の構想法則囲碁における構想条件には、以下5つの基本法則がある。
第一法則 相手への制約を優先する法則構想における基本意識は、「自分の構想より相手の構想を優勢して制約する」この結果、地合い的に有利な条件が保たれます。 戦いの意識は、「攻めながら守る」という姿勢が重視され、この2つの意識を継続させることによって、自分の形勢が有利な状態を保ちながら、相手のミスした場印に攻めるチャンスを逃さない注意が必要です。そして、自然に「有利な勝負のポイント」と「戦いのタイミング」が生まれることになります。このポイントを相手より先に発見できた方が勝つチャンスが一気に上がることにないます。 第二法則 地を囲うには、その前に必然条件が必要の法則地を囲う場合や相手の石が取れる場合には、その前に、「相手からの邪魔を阻止できる条件が必要になる。 地を囲うとすると、相手からの阻止がいい手になります。つまり、準備もせず、「石を取ろうとする手」や「地を囲うとする手」が打つと、それを阻止する相手の手がよりいい手になります。このような手が有効になるのは、相手からの阻止を制約する準備が必要になります。 |
第三法則 最大争点は自然に生まれる法則攻めるチャンスは、「確定事象の進行」と「相手のミス」の発生によって訪れる。その時には、反発を恐れず、相手のミスを咎める能力が必要になる。 ミスの発生を完全にゼロにすることはできません。このため、どちらが早く、そのミスに気づけるかが勝負になります。相手のミスなら大きな利益が生まれ、自分のミスなら、その損失をゼロすることができるからです。 第四法則 複数の戦いが交差する場所が争点になる法則絡み攻め、天元の戦いが、勝負や構想において、もっとも重要な争点になる。 四隅で独立した戦いが、平行して同時に起こり進行している。これらの部分的な戦いは、天元の方向に向かって手順が伸びる戦いになる。このため、複数の部分的な戦いとして天元の方向へ進行するか、2つの戦いの境界において、絡み攻め戦いが起こることになる。 第五法則 石の流れで確定地になる法則勢力地から確定地にするには、必然的な流れによる戦いによって、自然に確定地になる。 地になるのは、相手の動きや構想によって、自然に地になるのであって、自分から直接地を囲う手を打ったり、意識して地を囲うとする構想を立てはいけない。その構想を立てると相手に反撃させる手を与えることになる。 |
6「攻める」と「制約する」との意味と違い【攻める意識という意識の理解不足】囲碁は、攻めないと勝てません。この意識は非常に重要です。しかし、この意味を過大評価し、「攻める手は、いい手である」と理解すると大きな間違いになります。さらに、過剰にまで重視し、「すべての場面で、攻める手を見つけなさい」となるともう宗教になってしまいます。残念なことに、このような間違った教育を行う囲碁の指導者が数多くいます。 【最善手と戦い意味】「最善手」追求しなさい。この言葉も非常に好んで使う人がいます。「自分は強いので、戦いで利益をえる」という間違った考え方になるのです。このような間違った考え方の知識不足は、
この2つの重要法則が、全く理解できないこと、気づいていないことが原因といえます。 また、このような人は、残念ながら、なかなか「制約する」「攻める」という本当の意味に気づくことができません。 【勝つチャンスを減らさない】「制約する」も「攻める」も、いい手を打つ手段でも方法でもありません。これらは「悪手」「緩手」打たないように注意する言葉になります。つまり「勝てる可能性を自らの考えで無くさない」方法になり、いい手が打てるチャンスが生まれる考え方になります。 |
「攻めないと勝てない」という意味は、「攻める」意識を優先しないと、勝つチャンスが減ることを意味しているのであって、「勝てるチャンス」が増やすのではありません。囲碁では「守る」という言葉は、あまり推奨されません。その理由は、守る意識が消極的であり、「勝つチャンスが減る」からなのです。「守る手」が悪い手なのではないのです。なぜなら「制約する」という概念には、「守る」という動作が当然含まれています。「制約する」という概念は、勝つチャンス保持するであって、上げるのではありません。このように、「攻める」という概念は、「守る意識で起る失敗を減らす」「攻めるチャンスを逃さない」というが意味になります。 【悪手になる攻め】「攻めないと勝てない」という言葉を、「いつも攻めることを考えなさい」という意味としてとらえ、「攻める石があれば、いつも攻めなさい」という理解している人は、大変な間違いになります。「攻める」意識の正しい意味は、いつも攻めを狙って打ちなさい。そして、「攻める準備をしなさい」「攻められないように意識しなさい」「攻めのタイミングを重視し、我慢しなさい」という攻めであり、その最適な時期を準備して待つことを意味しています。ただし、相手が強い場合には、準備しても、それだけで終ることがほとんどですが、しかし、「攻める準備」をすることでしか、「攻めるチャンス」を手に入れるこが生まれないのです。 【本当の意味】「制約する」という概念は、「攻める」よりもっと広い範囲で使用できます。「攻める」意識と共通しているのは「制約する」ことでしか、「勝つチャンスが生まれない」。つまり「勝つ可能性を保持することができないのです。 |
7棋力アップしたかの判断棋力アップできたかを判断するには、
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上達するには A)効率意識を変える
↓ B)失敗を減らす
↓ C)予測する地を囲う、石を取るという意思表示の手が減った。
↓ D)勝負のタイミング
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