4-10 着手効率とは.doc

悪手をとがめる棋力(負ける危険性を減らす)

囲碁における効率の評価基準は、

法則 勝てる可能性の大きさと、負ける危険性の少なさである。

になります。また 囲碁における効率の原点は、ゲームルールによって規制された制約であり、それは、

  1. 交互に打つことにより制約である。(連続の優位性)
  2. 自由に打てる権利である。(構想と着手の自由性)

から生まれており、これがより具体的になると

  1. 大石が取られると負ける。(生きの確定と制約)
  2. 大きな地は囲えない。  (目的阻止の優位性)

になります。

(1) 悪手と形勢差の関係

形勢差が生まれる最大要因は

  1. 悪手(着手ミス)を打つことで失う損失。
       一手パス、手戻し、利き筋が残る
  2. 悪手(着手ミス)を咎められない損失。
       受けると相手の悪手が良い手になる。
  3. 悪手(着手ミス)を咎めることで得られる利益。

の3つになります。この中で最も重要な能力は、「悪手を咎めることで得られる利益」に関する能力になります。この能力はさらに、悪手を打っても、その損失を最小限に減らす知識になります。

悪手を咎めることで得られる利益を列挙すると

  • 大石が取れる。 大きな地が囲える。

の確定事象があり、有段者になると、その範囲が価値確定性から可能性に広がり

  • 相手を、「生きにくくさせる」「地を囲い難くする」
  • 自分が、「生きやすくなる」「地を囲いやすくなる」

というような「容易になる」「困難になる」効率の評価になります。また、さらに、より明確な中間的な評値値として、石の働きを「制約する」「連続性の権利を得る」という条件の違いで、着手評価できるようになります。なぜなら、効率の良い地にするには、交互にしか打てない平等条件を、連続して打てる特権条件に変化させことが必要なためです。そしてより多くの条件を獲得する工夫が能力として評価され「構想力の差」になります。

(2) 棋力や才能とは

棋力や才能とは、自分から悪手を打たなくなることであり、相手の悪手を咎める能力になります。悪手には 人為的な無知によるものと、自然で不可抗力的に生まれるものの2つがあります。人為的な悪手がほとんどなくなった人が、高段者でありプロになります。

人為的な悪手とは

知識や経験によって学ぶことでf防げる悪手のことです。
例えば、

  • 中手の形になると殺されやすい。隅の変化が多く間違う。
  • 三三に打ち込まれて、地にならない。

などは、知識不足から生じています。これらの問題解決は、テキストでの問題練習で解決できます。

構想の不均衡による悪手

このミスは、対局での経験や理論によってでしか解決できないもので、プロの戦いは、この「悪手」、咎める戦いを行っています。