日本囲碁ソフト碁の方程式

理論研究の2つの違ったアプローチ

囲碁での、最も基本的な理論考察の方法として2つの大きな流れがあります。
それは、「最終の確定地から理論を考察する方法」「戦いの空間の優位性から考察する方法」です。別の言い方をすれば…

◆ 最終目的の地になる確定効率を中心とした考え方
盤上の無限の変化の世界を、有限で必然の世界としてとらえることで最善手を求める考え方。
◆ 無限の戦いでの優位性を中心とし、その結果が地になる考え方
盤上の戦いや変化でもっとも勝敗に影響を与える空間が、着手の進行とともに変化することに必然性をとらえ、その結果として勝敗が生まれる。

また、このような2つの考え方には、碁を人生ゲームとしてみた場合、生きる目的として必然のとらえ方が、大きく異なっているにもかかわらず、その結果としては、優劣つけがたく、現在のところ、どちらの意識基準がより正しいかが識別できない状況といえます。

囲碁での未来事象の多くは、布石によってその大筋は決定されますが、その結果や成果は必ずしも、意図としたものとはならず、かえって離反する場合が多いといえます。このような実情をふまえ、より正確な未来予想としての必然性とその結果においてどのようなプロセスがあるのか、この命題は、非常に有意義な研究課題といえます。