日本囲碁ソフト碁の方程式

パソコンの対局ソフト作りから解った「碁の方程式」
上達のための囲碁ゲームの理論

第1部 碁の法則 100

第1章 ゲーム全体からのイメージ

囲碁ってどんなゲームか

  1. 囲碁は、地の大きさを競うゲームである。
    構想を実現する… 地を囲うための最低条件
  2. 碁は、地を囲う効率を競うゲームである
    効率と必然性  基本のアルゴリズムは死活
  3. 囲碁は、構築型ゲームである。
    ゲームとしての自由性 構築型ゲームの特徴
  4. 囲碁は、構想力のゲームである。
    構想力とゲーム性  相反する囲碁の特性

第2章 囲碁理論へのアプローチ

01 囲碁理論の発見

02 数学的なアプローチ

  • 定性的、定量的なことば
  • 不等式での確率的な予測
  • 確定地の合計で…
  • 定性的な特性いろいろ
  • 一手の効率について

第2部 碁の法則 100 について

第1章  基本原理 ……… ゲームの特性(確定への最善構想)

基本原理1 全ての着手評価は「活きの確定」が絶対条件となっている。

◆ 確定の重要性

囲碁ゲームの最大特性は、着手の自由性であり、手順の進行は、死活を確定する方向へと進行している。その確定のスピードと影響範囲は、挟む、囲うなどの着手選択で変化する。

◆ 形勢を判断する

形勢判断は、盤上の生き残りゲームとして計算しても、勝敗結果は同じになる。対局中は、未確定領域と確定領域の区分に分けて行なわれている。確定領域は、石が生きることで決定される。

◆ 構想と着手評価

着手の評価は、活きるという確定条件によって、読み切りが可能となり、確定地の計算ができるようになる。見合い状態も、一時的な活きの確定状態とみなせるので、着手の評価が可能になる。

(1)確定の重要性….. 確定(A) 領域(B)

  • 基本法則 1 全ての着手目的は、生きの確定方向へと進行していく。
  • 基本法則 2 空間の確定は、活きた石によって確定領域、未確定領域に分れる。

(2)形勢を判断する….. 形勢(C)

  • 基本法則 3 形勢判断は、確定地の大きさと未確定領域の将来性で判断される。

(3)構想と着手評価  評価(D) 構想(E) 制約と必然(F)

  • 基本法則 4 一手の価値には、活きへの確定度と地になる空間の広さの2つがある。
  • 基本法則 5 構想とは、一手の価値の効率を、制約条件と必然性によって、高めることである。

第2章 100の法則 … ゲームの特性

6つの基本法則

(A)確定について

確定への進行、未確定化への戻り、例外的な確定(見合い)

A1 確定への進行
法則1 手順の進行によって 未決定⇒未確定⇒確定へと領域は変化する。
法則2 全てが確定領域になると、勝敗が確定する。
法則3 勝敗結果は、盤上に置ける石数の差でも同じになる。
法則4 勝敗の確定は、確定領域と未確定領域の差で決定される。
法則5 未決定領域の空間は、地を囲うと確定領域が広がる。
法則6 空点は、一旦勢力地を通過して確定地に変わる。
基本的な戦略  空点が確定地になるまで
法則7 空点は、周囲の状況から7つに分類できる。
変化する一手の価値 空点の変遷 戦いでの空点
A2 未確定への逆戻り
法則1 確定領域であっても、石が取られると未確定領域に戻る。
法則2 確定領域の石が取られるのは、見合い条件とコウがある。
法則3 未決定領域の空間は、石を挟むと未確定領域が広がる。
A3 一時的な確定(見合い)
法則1 見合い条件が成立すると、着手目的が確定する。
見合いが分岐点  見合いは最高手
法則2 見合い条件の確定は、崩れる危険性がある。
法則3 見合いよって場面を限定的に見ることができる。
法則4 地合での見合い条件の確定は、優先度が高い。
法則5 見合いになると確定条件が、崩れることが多い。

(B)形勢の領域について
領域の区分、領域の特性
B1 領域区分について
法則1 形勢の領域には、確定領域と未確定領域と未決定領域にわかれる
法則2 石がない広い空間や、捨てれる石の空間は、未決定領域になる。
法則3 生きなければならない石があると、未確定領域になる。
法則4 石が生きると、確定領域になる。
法則5 確定地とは、確定領域の独占空間のことである。
B2 領域の特性について
法則1 戦いの領域には、急場領域、寄せ領域、先手領域、ダメ場領域、 先着領域がある。
法則2 両方とも未確定領域が重なると、急場領域になる。
法則3 両方とも確定領域が重なると、寄せ領域(未決定領域)になる。
法則4 片方のみが未確定領域の場合は、先手の場になる。

(C)形勢判断
C1 形勢判断について
法則1 囲碁は、形勢判断が基本である。
法則2 形勢判断と構想力は、同じ価値感である。
法則3 形勢判断は、評価価値の合計によって行なわれている。
法則4 形勢判断は、盤上に置ける石数の面積で判定できる。
法則5 形勢判断は、確定地の合計で行をいう。
法則6 形勢判断の簡易基準は、地の囲い合いで判断できる。

(D) 一手の価値評価
D1 目的達成のスピード差
法則1 石を取るより、逃げるスピードが速い。
着手のスピードとゲーム性
法則2 地を囲うより、邪魔をするスピードが速い。
達成スピ―ドが違う
法則3 殺すより、生きるが速い。
D2 一手の価値
法則1 一手の価値には、場所的な効率の差がある。
法則2 地に増減に影響する割合が、大きいほどその手の価値は大きい
法則3 着手に必然性が生まれると、一手の価値効率は高くなる
法則4 2つの目的が同時の達成できると、一手の価値効率は高くなる
法則5 一手の価値には、地の増減になるもの(直接的価値)と確定度の増大(間接的価値)の2つがある。
法則6 厚みの価値は、未確定領域への影響が広いほど価値が大きい。
法則7 活きの確定度には 手数、目が作れる、切断の有無があり、その確定度が大きいと、戦いが有利になる。
D3 着手の評価
法則1 着手の正確な評価には、読み切りが必要である。
法則2 読み切りには、活きの確定が必要になる。
法則3 未確定領域があると、先手と後手の評価値ができない。
法則4 先手寄せは、全局的な相対価値である。
法則5 後手寄せ同士でしか、価値比較ができない。

(E) 制約条件と必然性
E1 全局的な制約関係
法則1 囲碁の最大特徴は、どこにでも打てる自由性である。
法則2 着手の制約には、自由性>効率性>可能性>必然性>確定性>存在性の包括関係ある。
法則3 自由性は着手の効率性によって制約を受けている。
法則4 効率性は、地になるかの可能性によって制約を受けている。
法則5 可能性は、手順の必然性によって制約を受けている。
法則6 必然性は、確定性はによって制約を受けている。
法則7 確定性は存在性によって制約を受けている。
E2 部分的な制約条件(発生と解除)
法則1 目的が生まれと、制約条件も生まれる。
制約条件の継続
法則2 意思表示すると相手への制約の条件を、与えることになる
三子以上で確定する  着手の制約条件
法則3 活きることによって、制約条件は解除される。
制約条件がなくなると
法則4 見合いになると、一時的な制約条件の解除になる。
法則5 生きるために地を囲うには、3つの石がいる。
E3 着手の必然性(読みの方向….流れ)
法則1 最大手であれば必然性がある。
法則2 相手が受ける手が、最大の価値である場合、最善手となる。
法則3 受けなければ負けが確定する場合には、必然性が生まれる。
法則4 必要性でけでは、必然性にはならない
法則5 評価関数が与えられると、必然性が生まれる。
法則6 タイミングによって必然性になる(利かし)
法則7 一手でも必然性の条件は生まれている。
法則8 2手連続して打てると必然性が現れやすい。
法則9 必然性がないと読みきりができない。

(F) 構想と戦略
F1 構想の基本知識 (戦略)
法則1 活きていない石の境界線が、戦いの場になる。
中盤の基本戦略 中盤からの戦い
法則2 中盤の戦いは、死活の戦いである。
中盤以降の戦い  石を取る技術とは 生きるための戦い
法則3 構想は、石が取られない前提で立てられる。
構想の評価基準
法則4  戦う力としての必然性 (第2の条件)
F2 構想の戦略(石の効率と優位性)
法則1 全局的な価値の方が、部分的な価値より優先される。
構想と思考のバランス
部分と全体の価値評価
法則2 布石の構想は、理想図の知識から想定されている。
構想の一貫性
法則3 形勢が有利な時は地を囲い、不利な時は戦いをしかける。
一手の価値と石の効率 形勢判断での図
法則4 広い空間に、先着した方が地になりやすい。
一手でも必然の条件は生まれる
効率の良い場所を専有するには
法則5 攻め合いは、一手の違いが原則。
法則6 生きながら、地を増やすや攻めれるなどの手は最良手である。
F3 構想の絶対条件
法則1 有利な構想には、相手着手の制約が必要になる。
必然性と制約条件  必然法則と基本戦略
法則2 効率よく地を囲うには、必然的な着手が必要である。
法則3 必然手とは、得しない最大手を相手に与えることである。
必然手の法則 構想と最善手 必然の条件
法則4 地を囲うには、囲うべき地の空間の存在が必要である。
空間の広さが大切 地を囲う戦略 構想での絶対条件
法則5 石を攻めるには、攻めるべき石の存在が必要である。
戦略と戦術の違い  有利な戦いへの準備 
法則6 構想をたてるには、着手の必然性が必要になる (生きの条件)

(G) 戦いの新格言(実戦編)
<G1攻め合い>
法則1 戦いでは、手数が5手以上になると狙えない
法則2 切りの個所が近くに3つあると、手になる。
法則3 手数の伸びは +3から –1 まである。
法則4 手数の伸びが +3にならないと、手数は増えない。
法則5 石数が2つの場合は、2手であってゲタになる
法則6 攻める目の急所は、コスミが2つ重なっている場所である。
<G2打ち込み>
法則1 打ち込むには、活きれる条件が必要である。
法則2 打ち込みは、上下左右に空いている場所に打たれる
法則3 相手の石の形が「空き三角」「陣笠」になる場合は、打ってもよい。
法則4 切る、繋がせるなどの2つの目的がある場合、直ぐに打っていけない。
<G3有利性>
法則1 読みきれない場合は、地が損でも、活きの確実な手を選ぶ。
法則2 同じ条件なら、背中の空間の広い方が有利である。
法則3 生きなければの制約があると出切れない。
法則4 生きながら、地を増やすては最高である。
法則5 生きながら、相手の目を取るも最高である。
法則6 生きながら、相手の地を減らす手も最高である。
法則7 生きる手が基本になるのは、生きるまでの手数がかかるからである。
<G4必然性>
法則1 手を2度抜くと、死ぬ場合は先手になる。
法則2 手を3度抜くと、死ぬ場合も構想の基点になる。
法則3 死活や、詰碁は生きる手から読む。
法則4 布石と定石は、その理論性が違う。
法則5 構想で生きる手が基本になるのは、その手数が長いからである。