碁の方程式
見えざる争点「隠れた天元の戦い」

形勢の判断評価と構想

2013/07/26

形勢判断の基準から、戦いにおける構想について述べると、結論的に言えば、「地合いの大きさより、「権利の先手の効率差によって形勢差を得ようとしている」といえます。

つまり、単純に「地合いが多いから有利である」とか、「全局的に厚いから有利である」という単一な評価比較だけで判断しているのではありません。

このような構想基準となる理由は、「地合いのバランス」や「全局的な厚さ」というものは、目に見えるものであり、また地の大きさとして数えることができるのですが「先手の権利」は、理論による必然法則から生まれるものであるため、読みの検証がなければ判断できないという事情があります。しかしながらその影響効果は絶大で、先手で打てる権利があると、相手から邪魔されない最高効率の地を囲うことができるからであり、さらに連続性があるとより大きな地の効果が期待できるからです。結果、「地合い」と「石の強弱」のバランスを測りながら、どちらの「権利の先手」が多いかで判断することになり、構想における工夫も、この形勢判断の基準に適合するようになされています。