天元付座標の「10の10」の場所は、天元と呼ばれています。ここでは、天元付近の戦いを「天元の戦い」と呼ぶことにします。
天元付近での戦いのパターンは、大きく2つにわかれています。一つは、天元の領域が最終的にダメ場となる戦いであり、もう一つは、これとは全くに逆に、中盤での最大の「勝負どころ」となるパターンです。どちらの場合においても、構想としては、隠れた最大の争点として天元が存在し、布石における早い段階から、天元の戦いは意識され打たれています。
このような2つのパターンに分かれるのは、黒番と白番での戦略の優位性が、正反対になるためです。黒番の戦略としては、空間が広い序盤での戦う方が、相手の反撃に対して自由な対応でができるため有利となるのですが、白番ではこれとは全く逆で、できるだけ天元の戦いを避ける戦略が有利となります。