11/16 更新  

◆ 碁の起源と天文学

碁を、「いつ、どこで、だれが」考案し、打ち出したのか。その伝説は残っているが、その起原は、明確ではない。晋(265 〜 420年)時代、張華は著した「博物誌」によると、伝説の治世者で聖天子と呼ばれる暁、舜帝がその子供を教化するために創作したと書かれている。
四千年前、中国で生まれたといわれ、農耕技術の進展につれ正確な暦(カレンダー)の必要性から天文学が発展し、その知識と当時の思考風土から囲碁が生まれ、諸侯、文化人そして民衆に伝搬していった、と言われている。

東宗の儒学者陸象山は、碁について次のように説いている「天元の一子は中央に位して
四方に号令する君主のようなもので、この一子を除く三百六十は周天の数と同じで、これらを四分して春夏秋冬の季節となし、一季は一隅に当たる。
また外周七十二候にかたちどり、局面を天地に支配して石の黒白を陰と陽になぞらえた。」
碁が始められた当時では、天文学から易学が発生しており、碁は易と、もっとも縁故の
深い帝王学であったと考えられている。
また、天文や、易等を研究する道具として用いられたが、民衆に技芸として普及したのは春秋・戦国時代(前770〜前221)と言われている。