要石とカス石の区別は、級位者はなかなか判別ができません。しかしこの判断能力は、高段者になると、一瞬でわかるようになってきます。
その上達過程は、入門、初級の段階では、「欠け眼」を「本眼」との違いを区別できなかったものが、上達するにつれて一瞬で判断できるようになるのと似ています。
要石とカス石の区別が困難な理由は、その判断基準が複雑さにあります。通常は石数の多い石が重要で取られると不利になるのですが、要石の場合は、石数ではなく取れた後の影響度の大きさになります。石数の多い石は、損失が大きいため、取られないよう優先して逃げますが、影響度が大きい場合とは、他の石の死活に影響する大きさになるため、たとえ1目であっても取られないように打つことが必要な場合が生じるのです。