「厚みは地として囲うな」という格言からわかるように、厚みは戦いに働かすことによって最大の効果が得られるという条件があります。その理由は、厚みができるまでの手数の多さにあります。もし地を囲う目的だけで打つ場合の効率からとらえると、序盤の一手では5目の確定地が確保できるのですが、厚みを作るために相手に与えた地の大きさは、最低でも7目から1目になります。つまり、地として取り戻すには、2手以上が必要なります。2手続けて地を囲う手を打つことはできないため、相手の弱い石を攻めることで、完全に活きる効率の方が勝ることになります。厚みの状態では、最低1目はあるので、先手で一眼作ることができれば、厚みの手割としては、十分であるとみることができます。