碁の方程式
見えざる争点「隠れた天元の戦い」

結論

2013/07/31

4つの特性からわかる、囲碁における着手効率の中心となる考え方は、ゲームルールで生まれた「すべて手が後手である」という平等な価値であり、形勢からみると無価値な価値観かであったものが、「権利の先手」という価値の創造力が生まれる手に変化することによって、その獲得に価値が生まれたことです。そして獲得された「権利の先手」による活用効果によって、地を囲う効率へ大きな影響を与えることになり、この効果が勝敗を大きく左右することになります。また、これと関連平行して、打たれた相手の手が後手か先手かを見極め能力、先手であった場合であってもその被害が少ない場合には、手抜きによる「先行の手」を打つことで獲る価値を選択する判断力が、形勢に影響を与えることになります。

このような先手と後手の攻防では、絶対の先手つまり、大石取られてはいけない、活きなければならない、という構想における制約条件が生まれ、この条件に適合しながら、地の効率を高める「権利の先手を、どれだけ多く得ること」そして「その権利を地の増減に連即して打てること」によって形勢差が大きくなるゲームであるといえます。