定石について

定石の手には、相手の手に対して「受ける」、「攻める」「反発する」という3つの対応があります。それが布石の構想におおきな影響を与えています。また先手の石なのか後手の定石なのかを選択するも重要で、構想をさらに工夫することになります。※1 このため、部分的には「多少損ではあるが先手をとる定石」と「しっかりした形ではあるが後手になる定石」があります。

※1 先手の定石か後手の定石かの違い例では、星へのかかりに対して「大ゲイマ」と「ケイマ」の受けでは、33に打ち込まれた場合には、大ゲイマは後手、ケイマは先手になる知識は重要です。

(1) 定石の勉強目的

定石の勉強目的としては、

  1. 部分的な互角の別れの知識と感覚。
  2. どのような変化があるのか。
  3. 形の急所の要点を知る。
  4. 変化する分岐点を知る。

が重要になります。定石では手順を覚えるも重要ですが、それ以上に構想目的によってどの定石を使うべきかの理由がより大切になります。

(2) 定石の特徴

定石の手順を完全に覚えることより、その意味を知ることの方が定石の学習にとっては有効です。ただし、その意味を体系的に理解することは、プロ棋士によってかな り専門的な個人指導を受けないかぎり、なかなかそのポイントを理解するのは困難です。しかし定石での変化は、定石辞典などに記載があり、覚えれなくても一度は並べて見ることが大切です、そして、これは「互角」、これは「黒良し」などの感覚と変化の多さを体験することで、手筋や石の流れ、また構えや要点などが少しづつ解ってくるようになります。

(3) 定石の勉強選択

定石の手順を覚えるには、「よくできる定石」と「変化の多い定石」の2つをターゲットに学習することがいい勉強方法になります。「変化の多い定石」は実戦で打つことはあまりないのですが、変化のポイントを知ることで、戦いの分岐点や注意点がわかるようになるのです。