座談会(4) 囲碁ってどんなゲーム

参加メンバー

主な内容

始めの挨拶、やっぱり勝ちたい、変な噂、ハメ手、寄せ、理論のスタート、必然の流れ


始めの挨拶

司会 時間になりましたので、4回目の理論座談会を始めさせていたさきます。高橋先生がお休みです。

司会 プロの先生にお聞きしたいのですが、先生が生徒さん教える場合に、一番困ることはなんですか。

プロ 急に、答え難い質問から始まりましたね。

司会 すみません。いつも教わってばかりなので、教える立場からの体験をお聞きしたいのですが..

プロ そうですね。必す勝てるいい手を教えくれといわれた時ですね。

岡村先生 なるほど、それでどう答えたのですか。

プロ 自分より強い人と、打たないことです。と答えました。

三男(初段) そりゃそうだ。わはは…

良子(6級) 先生でも、わからないことってあるのですか。

プロ そんなの、たくさんありますよ。わからないことだらけです。

純子(12級) え〜!そうなんですか。

良子(6級) それって、本当に信じてもいいお話ですか。プロでも知らないことがいっぱいあるって…


やっぱり勝ちたい

司会 教えるときに、これだけは大切にして欲しいことってありますか。

プロ アマの場合は、楽しんで碁を覚えることですね。

良子(6級) 楽しむには、どうすればいいですか。

プロ 一番は相手に勝つこと。次は強くなること。そして、いい友達を作ることですね。

良子 どれも難しいそうですね。

純子(12級) 良子さんは、社交的だから友達は多いでしょう。

良子 普段の付き合いは、問題ないけど碁を打つと、負けると悔しいから….、

純子 そうね。私はその点大丈夫みたい。(くすくす笑う…)だって勝てる人なんて、ほとんどいないもの。

良子 先生、一番手っ取りばやく、強くなる方法ってないですか。

プロ 三連星や中国流など、布石を徹底勉強すると、
読みの力が同じ人と打つなら、きっと勝率はあがると思いますよ。

良子 え!。それは本当ですか。

越田 でも、上手と打つと、かえって勝率が下がるので、注意してください。

良子 どうしてですか。

越田 布石の勉強は、もっともきびしい戦いの練習なので、ちょっとしたミスでもダメージが大きくなります。
そのため、上手との対局の場合には、かえって下手がミスする確率が高くなるのです。


変な噂

司会 教えるときに、これだけは大切にして欲しいことってありますか。

プロ 対局中はやはり、勝てることが自信につながるので、積極的な気持ちで頑張ってほしいですね。
でも、負けてもあまり気にしないことです。

良子(6級) でも、負けるのって、相手より自分が馬鹿と思えるので、悔しいですね。

プロ 勝負ごとなんで。どちらかが負けるゲームですから、しょうがありませんね。

越田 負け時に、正しく指導してくれる先生がいる人は、すぐに上達できますよ。

純子(12級) それなら、越田先生いつも私の傍にいてくださらない。

越田 え!。それはちょっと無理ですね。

純子 そうか、残念。じゃ岡村先生、私の傍にいてくださらない。

岡村先生 残念ですね。一番目でのご指名ならOKもありましたが、ちょっと無理ですね。(笑う)

良子 三男さんなら、きっと暇なんでOKしくださるわよ。

三男(初段) 純子さん。僕が指導してあげますよ。

純子 ありがとうございます。
でも、変な噂が流れて迷惑がかかるのかもしれないので、やっぱりお断りしますわ。

三男 そんな心配はないですよ、大丈夫です。

純子 でも…。純子はやさしくて優雅な碁が打ちたいので、ちょっと三男さんの棋風と違うみたい。。
ゴメンなさい。良子さんに、教えてあげてください。

良子 いいえ、私も、石を取る悪い癖がついて、嫌われれたくないので…いいわ…

三男 今日の対戦は、2連敗ですね。やはり負けるのは、悔しいですな。


ハメ手

三男(初段) 先生。ハメテというのがあるでしょう。あれって嘘手なんでしょう?

プロ ハメ手にもいろいろあって、嘘手でないハメ手もありますよ。

純子(12級) ハメ手ってなんですか。

岡村先生 下手を惑わす一種の騙し手のことですよ。

雅夫(2級) 戦いで相手が反発した時、よく間違えやすい手筋のようなものでしょう。

三男 あまり純子さんには関係ないないよ。

純子 どうして、私には関係ないといえるのですか。

三男 純子さんは、反発しなもの。

純子 え、そうなの。反発しないとダメなんの。

プロ 戦いの始まり、反発からスタートしますね。

純子 なら、パス。よかった、私に関係なくて嬉しい。

雅夫 え〜。ダメですよ、戦いでは反発しなくちゃ。


寄せ

司会 先生、寄せの勉強は、どんなことを勉強すればいいのですか。

プロ 先手か後手かが、もっとも大切ですが、難しいでしょうね。

山田指導員 両先手の手は、大きい手ですね。

良子(6級) 両先手って一体どんな手ですか。

プロ どちらが打っても、先に打った方がと得をする手です。

三男(初段) はねつぎの両先手のことです。

純子(12級) へ〜!。そんなのが、あったんですね。

越田 はねつぎ以外でも、両先手はの大きい手が多いですね。

良子 先手っていうのは、やはり大切なんですね。

山田指導員 先手だと思って打ったら、後手になって失敗したなんてこともありますよ。

良子 え!。先手は先に打つから先手じゃないんですか。

三男 だから良子さんは、相手に手抜きれる先手ばかり打ってますね。わはは…

雅夫(2級) 良子さんの手は、後手というですよ。


理論のスタート

司会 囲碁理論での基本は何か、といわれると越田先生は、どう答えられますか。

越田 それは、必然性でしょうね。

良子(6級) 必然性とは詰碁の手順のことですか。

越田 詰碁だけでなく、攻め合いも定石もすべて、手順には必然性があります。

岡村先生 必然性ですか。急に話が難しくなってきましたね。

純子(12級) どうして、必然性が大切なんですか。

越田 必然性がなけれは、読みの順序がわからないからです。

良子 越田先生は、自由に打てることは碁の特徴っていってませんでしたか。

越田 理論としては、自由を制限する必然性が大切なんです。

岡村先生 先手も、相手が必ず受けるという必然性がある、先手になるのですね。

純子 ということは、手抜きされてばかりいる私の手には、必然性はないの。

越田 相手が強いと、必然性が生まれやすく、弱いと無視されやすいですね。

純子 それなら、必然性も相手によって違うの。

三男(初段) あたり前でしょ。
純子さんがいい手を打っても、その後ミスするに決まってる石が取られることがないけど、
プロ先生が打つと直ぐに、取られてしまう。
純子 私の人生と同じで、私の手は、偶然を愛する恋多き女のようね。うふふ…


必然の流れ

司会 必然性というのは、Aの場合なら次はBになるというように、一つだけの答があるものですか。
それとも、もう少し漠然とした条件によって制約されているのですか。

越田 必然の石の流れという言葉があるように、詰碁の答のような一つだけの答というものではありません。
多少選択の余地がありまが、勝敗を大きく左右することはありません。

良子(6級) え〜!、そうゆうものなんですか。

越田 台風の進路のようなもので、場面には大きな石の流れが生まれています。

岡村先生 中央に弱い石が生まれると、逃げるのが大変ですね。

越田 そうです。一度でも逃げると、その石が完全に生きられるまで、「生きなければならない」という制約条件が生まれます。
これが、石の流れをつり出すことになります。

山田指導員 強い人に攻められる、追いまわされますね。

プロ プロ同士の対局でも、予定外の弱い石が生まれると、一気に碁が終ってしまいます。

岡村先生 囲碁の勝負で、中押しが多いここと関係ありそうですね。

越田 そうですね。捨石で活用できればいいのですが…

良子 やっぱり、私たちの碁ろちょっと感じが違うよですね。