入門・初級者が、上達できるための

棋譜添削と囲碁理論

棋譜の添削は、序盤での布石や石の構え、また着手効率の高い、もっとも厳しい戦い方について解説指導しています。
実戦では、必ずしももっとも厳しい手が最善手でない場合もありますが、もっとも厳しい手というものがどのような手であるかを知ることが、囲碁の上達の基本になると考えるからです。

 

 

◆ 勝負として、囲碁ってどんなゲーム。

囲碁は、地を囲う効率を競うゲームですが、

直接「地を囲う」ことばかり考えるといい結果が得られません。

相手に勝つための「対局中の意識」としては、

1        囲碁は、生きる効率を競う。

2        囲碁は、相手に地を囲わせないことを競う。

3        囲碁は、相手の構想を邪魔することを競う。

4        囲碁は、先手になる構想を競う。

5        囲碁は、攻めながら弱い石を強くする。

 

6        囲碁は、攻めながら地を囲う。

7        囲碁は、安定した生きの石を、完全に生きた石に早く変化させる。

8        囲碁は、安定した生きの石を、ターゲットにして攻める。

9 囲碁は、相手の厚みを、戦いに働かせないように攻める。

 

9        囲碁は、形勢を絶えず意識し、形勢が不利と感じた場合は、勝負手を打つ。

10    囲碁は、攻めあいや死活での、戦いの効率を重視する。

11    囲碁は、戦略や戦術に工夫する。

12    囲碁は、相手の石を取ろうとしても、なかなか取られないゲーム。

 などいろいろな意識を変えて打たれています。

 

ここで大切なのは、序盤、中盤、終盤と場面が変化していく中で、

その場面変化に対応した戦略や戦術、また構想をたてるために、どこに意識を集中するかが問題になります。

 




囲碁理論の重要用語

囲碁理論ではその基本概念を構成する言葉がある。

 

勝敗の確定 …… 打つ場所がまだまだ十分あるにもかかわらず、どこに打っても逆転できない状態をいう。囲碁におけるこの勝負が確定しまうゲーム特性によって、「投了」が生まれている。

形勢判断 …… 地の囲い合いで、勝負に勝てるかを判断すること。

構想する …… 戦略を戦術を組み合わせ、その組み合わせの順序によって、地の効率を高めるという考え方。

可能性の減少 …… 対局スタート時点では、黒白361の地として可能得点があり、手順進行によってその値が、減少し、その減少値がゼロになると、終局になる。終局時点で残った地として可能得点が確定地の大きさになる。という考え方。

着手効率 ……

一手打つことで、どのれだけ確定地になるかの大きさのこと。着手効率が大きいほど良い手になる。確定地になるには、

第一段階 未確定地から、勢力地になる

第二段階 勢力地から、確定地になる

という2つの段階があり、第一段階では勢力値(地の可能性の大きさ)、第二段階には確定率(勢力地が確定地に変換できる確率)がある。そのため、確定地になる着手効率の値は 勢力値×確定率になる。

構想の制約 …… 勝敗の確定条件として、
  1.       終局までに、生きなければ負ける
  2.       地を減らされると負ける。
  3.       石が取られると負ける。

という条件を利用し、有利になるために、相手の構想を制約しようとする考え方。また制約の数や大きさによって、形勢の優勢さ捉えようとする間接的な形勢判断の方法。制約が厳しいほど、相手から反発が抑制でききるため、確定地になる確率が大きいと形勢は有利になる。

着手の制約 …… 構想の制約が全局的な制約であるのに対して、先手や利筋など部分的に、相手の手に対して絶対に受けなければならない条件が存在すること。この条件を利用しなければ、効率のよい地は囲えないという考え方。

構想の自由度 …… 着手効率の評価において、相手の構想を阻止することが最大効率になるという価値観から、相手からの反発できる可能性の大きさを「自由度の大きさ」として捕らえ、その大きさで形勢判断を行う考え方。構想の制約条件とは、表裏一体の考え方になる。

最大の着手効率
着手の連続性 …… 構想をたてる場合に、基本となる重要な価値判断の一つ。先手となる複数の場所が「地を囲う」ために関連性が生まれ。連続して打てることで大きな地になること。