◆ 必然手となる理由としては
- 手止まりなど、その手が最大である場合は、必然となる。
- 着手の進行にともなって、一手の価値が減少する。そのために今後の予想で、
それ以上の最大手ができる可能性がゼロに近い状態となっている。 - 全局的な形勢が不利なため、複雑で変化が多く相手が間違い易い手、勝つチャンスの生まれやすい手を選択せざるを得ない。
- 全局的な形勢が有利なため、簡明で変化か少なく、間違いにくい手を選択する。
- 地を囲う安全な方向では地合が足りない。そのため相手の地を減らす選択を行なう。
などが、全局的な観点からの必然手の理由となります。
◆ 着手の効率
着手の関連性と効率からわかることは、
- 部分的効率と全局的効率とも、両方が満たされバランスがとれている。
- 大きく立体的な一方地の方が、地になる効率がよい。
- 連続して打つことができる方が、広い空間を地にできる。
- 2手連続した消しの手で、地でなくなる面積が測定できる。
◆ 死活による必然法則
石が死ぬ確率は低く、また形勢が大きく関与することから生まれる必然性。
◆ 地の確保の構想による必然法則
手順の進行とともに、空間が地なる可能性が減少することから生まれる必然性。
◆ 連続した着手の必然法則
2手連続した有効な着手を打つことが困難なために生まれる必然性。
◆ 着手の進行による一手価値の減少による必然法則
大きな地になる可能性が、着手の進行によって減少することから生まれる必然法則。
◆ 形勢が確定することによる必然法則
形勢が確定すると、勝つための可能性が困難になることによる必然法則 … 勝負手
形勢が不利な場合、変化を求めて戦いの方向へ誘導しようとする。
反対の場合は、変化の少ない方向へ誘導しようとする。
◆ 死活条件との関連から生まれる関連性
- 形勢の差がもっとも大きくなるのは、死活条件である。
- 死活条件とは、生きなければならない条件である。その条件には、
「石の切断」「眼が作れる空間の広さ」「1眼の有無」「目形の形状」
「石の強弱の関係」などによって生きる難易度が生まれる。
◆ 死活による隣接法則と必然性
隣り合った、
- 生きた石同士は、盤上に存在できる。
- 生きた石と接した死んだ石は、死んだ石として確定される。(確定)
- 死んだ石同士は、盤上に存在できない。… どちらかが死んでいる。(未確定)
したがって、
- 生きていない石同士の関係が、最も優先される。
- 片方のみが生きていない石の場合、生きなけれならない制約が生まれる。
◆ 生きなければならない制約条件から生まれる必然性
生きなければならない石ができると、
生きた石と連絡する、眼を2つ作る、地の空間を広げる、地の空間を分割する
などが必要なる。
◆ 大きな地を囲おうとするための条件と必然性
連続した着手によって広い空間を地として囲う場合、相手からの阻止の手を防止しなければならない。周囲の死活条件などによって、相手が邪魔をすることが出来ない条件が必要となり、そのことで必然手を見つけることができる。
<次の手への発展性>
このような理由から、必然性や関連性においては、打たれた手の位置関係だけではなく、打たれた手から次ぎの関連した狙いの有無によって、その手の重要性が決定され必然かどうかの判断基準となる。それは、
死活、空間の封鎖、石の連絡、切断、地として発展性、目形
などである。
また、この連続した関連性がさらに続いて次の発展に向うかどうかも重要な問題となる。この場合の判断基準の最大要素は、やはり石の死活問題といえる。つまり、打たれた着手から、さらに別の死活問題が生じる可能性の有無が重要問題となる。