1. 囲碁でのエントロピーの活用
エントロピーとは、状態変化の差が、碁盤上での効率に及ぼす影響力をいう。エントロピーでは、一定の方向性が問題になる。また、数量的な差が必要になる。
- 囲碁における、エントロピーの基本関数
- 「勝敗の確定性」として定義づけることができる。
- 勝敗の確定性が高くなれば、逆転が起きない為、エントロピーは高くなる。
- 勝敗の確定性が低くなれば、逆転が起きやすくなるため、エントロピーは低くなる。
つまり、自分に有利な勝敗の確定を目指して「着手効率を高めているゲーム」と結論できる。 このため、勝敗の確定が起きた状態が問題になるが、形勢差が一手の価値を越えた場合には、勝敗確定が起きたと判断できる。
2. 囲碁の科学
囲碁が、科学として成立するためには、
- すべてに共通した思考価値の方向性
-
- 価値理論からみた不可逆的な方向性
- 勝敗の理論たらの確定性
の哲学的な思想と発見が必要になる。
3. 囲碁科学による上達効果とは
この科学的でゲーム理論的な発見によって、囲碁の進化の方向性と可能性の扉が開らかれる。今まで「術」であり、「思い込みの価値論でしかなかった「囲碁上達」の学習方法が質的変化を引き起し 、「科学的」で蓄積な「合理的囲碁学習」に変化する。
4. 一手の価値状態変化
一手の価値というものが、場面をどのように変化させ、その場面での機能差つまり有効性を測定可能なものできるかが最大の問題点であったが、それが、解決されることになる。
その方法とは、科学のおける「自由エネルギー」と「エントロピー」という相互概念と同じく、囲碁のおける「構想の自由性」と「勝敗の確定性」の概念形態の結合によって、 各場面におけるエントロピーの大きさが、「有効性として余剰エネルギ―」の変換効率差として、統一された価値体系で結合し、誕生することになる。
5. エントロピーとしての一手の価値
形としての一手の価値とエネルギー蓄積と放出のメカニズム
生存機能として形を形成するには、数手の石の結合が必要になる。この結合によって、余剰のエネルギ―が蓄えられることになるが、蓄えられたエネルギーが、相対的な石の配置構造として、自由エネルギーとして変換率が高い場合には、「地になる」「戦いで放出する」というようになる。
しかし、変換効率が悪い場合には、 石数としての結合エネルギ―が自由変換できずに凝固した状態になり、これが「団子石」となって効率の悪い連結状態になる。
このことから、形として蓄積された余剰エネルギーが、戦いによって自由エネルギ―の再変換される特性をもっていることがわかる。この特性を石の配置に関係によって、無駄のない機能に調整しながら変化収束させることで、余剰のネルギーの排出が行なわれている。この余剰エネルギ―の変換効率がエントロピーとして「形勢」に影響を与えることになる。
6. エントロピーと囲碁学
一般に閉じられた空間のおいては、エネルギ―の保存法則が成立する。碁盤におけるエネルギーは、「一手を打つ」という動作で生まれ、黒の手を「プラスのエネルギー」と白の手を「マイナスのエネルギ―」の手として 見ると、盤上における保有エネルギーの総和はいつもゼロになる。しかし自由エネルギーとしての着手変換できるエントロピーの総和は、ゼロにはならず変化し、余剰エネルギーとして蓄積され、また放出される。
同じ条件下でネルギーを使用しても、その石の配置関係によって効率が変化し、そのエントロピーとして効率差が「地の大きさ」という数値に集約変換されていく。
このように、囲碁を学ぶことで、エネルギーとエントロピーの価値概念の違いがわかるようになる。エントロピーによる適性がどのようなものであるかが理解できるようになる。
このような適性の行動パターンは、生物における進化にもみられる現象である。その理由は、外的な変動が大きく、その変化の応じて自己の最適化の行動を制限されていると考えられるためです。
7. 閉じられた系での最適解
エントロピーという概念は、生物進化においても重要な基礎概念になります。エントロピーとして人間社会を捉えた場合、「生存競争」や「弱肉強食」として捉え方の間違いに気づくことなります。
つまり、相対的なエネルギーとしての総和が一定なら、その変換効率が問題になるのです。つまり、特定の人だけがお金を保有していることが、かえって全体の自由性を阻害し、 その変換効率を悪くしていることに気づきます。
日本全体の自由エネルギーの変換効率を高めることが重要であり、そのため、基本政策の考え方が是正されない限り、閉鎖された地球という領域において、その発展を期待することはできません
8. 手割り論の間違い
囲碁における序盤での手割理論の間違いは、確定性という考え方の捉え方にあります。
囲碁の着手評価では、特に序盤においてはエントロピー的な余剰エネルギーというものが内在しているため、その余剰エネルギーの変換率が最大の問題になります。 その変換率は、部分的な石のj石の効率ではなく、全局的な石の配置によって大きく影響しています。
それにもかかわらず、そのことが評価要素として全く含まれず、確定値として間違って利用されていることが最大の問題点になっています。
9. 余剰エネルギーの変換効率を低下させる戦略
相手の勢力地への打ち込みや、消しの動作は、相手のの変換効率を低下させる動作になります。つまり、戦いとして石の働きを重複させることで、相手に一部分の確定地を与える変換を行なうのですが、その例外の変換においては、 自由エネルギーを利用不可の状態に追い込む戦略といえます。
つまり、変換効率が予定期待値以下であれば、打ち込みが成功したといえるのです。
10. エントロピーの凄いところ
エントリピーの考え方が注目される点は、その価値が利用変換効率にあって、与えられたエネルギーの総和ではないという点です。
つまり、外的な環境変化によって、自由エネルギ―の交換率が変化し、その大きさが効率として評価される点にあります。
このため、「『大きな組織によって構成される』ことが必ずしも有利にはならない」という事象が起ります。このような囲碁での事象は、社会現象にも共通しているのですが、社会現象の場合には、前提条件がゲ―ムの場合とは大きく異なり、 時間的に与えられる自由エネルギーの量自体に大きな差があるため、個々での優位性の比較が困難になっています。しかし、総和が一定として見なした場合には、全体効率としての 比較が可能になります。
11. 一手の自由エネルギ-の大きさ
一手打たれると、その自由エネルギーは、石の配置効率として盤上に存在するのですが、実際に、「地として有効活用される」または「石の結合」として利用される大きさは20%以下になるため、その多くは 余剰エネルギ―として、盤上に存在していることになります。
問題は、この余剰エネルギーを自由エネルギーとしていかにして無駄なく取り出せるかにあります。
12. 余剰エネルギーを自由エネルギーへの変換
余剰のエネルギーを自由エネルギーに変換させるもっとも一般的方法は、「厚みを活用した攻め」になります。相手を攻めることで手入れをさせて、放出した剰得エネルギーが自由エネルギーに変化される先手になるのです。
このように、攻めることは、余剰エネルギーの放出にあたります。ただし、攻めすぎることで手戻しが必要になると、折角放出した余剰エネルギーがまた増加することになります。
13. 構想の自由性とは
構想の自由性とは、自由変換できるエントロピーの形勢差になります。 また、それは余剰エネルギーの変換効率の大きさという表現も可能です。
14. エントロピーの概念
本来のエントロピーの概念は、自然に生まれる運動法則の現象でしたが、人間がこれをいかに効率よく運動エネルギーとして取り出せるかの問題として発展してきました。 つまり、いくら利用価値があって有効利用できなければ価値がない。その有効利用できる大きさをエントロピーの価値として数値化したのです。
つまり、エネルギーがいくら大きくても、そのエネルギーが分子内部に留まって、外部へ作用できる力や化学結合としての作用の寄与しなければ、人間にとって意味をなさないということです。
囲碁では、「戦うための厚み」がいくら強大であっても、その厚みが地を囲う方向に作用すると、その厚みの効率が悪くなるということになるのです。
囲碁の本やNHK教育番組においても大きな間違い教育が数多く行なわれています。その例は、「厚みの働かせ方」「模様の消し方」などの表題は、囲碁の本質とは正反対の悪い癖をつける、いかさま教育でしかありません。
つまり、エントロピーという疑念がわかると、このような間違った教育は存在しなくなるのです。
15. エネルギーとは
エネルギーの特性は、
- 内在的なエネルギーがあっても、その量が限界点を超えなければ、運動エネルギーとして現れることがない
- エネルギーは分散したり、集まったりすることで、外的に作用を及ぼす
ことになります。では、
- いかにしてそのエネルギーを集めることができるのか
- 集めたやすいエネルギーと集めにくいエネルギーの違いがあるのか
ということになります。
16. エネルギーと熱素
一時期、熱素というものをエネルギーと異なったもので捉えた時期もあったようですが、現在エネルギーは「熱」であるということになっています。
熱とは一体何 … 温度とは一体何ということが問題になります。
囲碁においてエネルギーは、「一手分の潜在価値」といことになりそうです。それなら、この潜在価値の能力はどこにあって、どのように評価すればいいのでしょうか。
17. 機能性と分子構造体
分子の構造の大きさが大きいほどエントロピーは大きくなり、機能性が高くなると一般に考えられています。
しかし、盤上での機能性が高くなると効率がいいのかというと、囲碁ではエントロピーが低く機能性が高い状態がいいということになります。
つまり、目的の達成をできだけ少ない石数で達成できないかの工夫によって、もっとも余剰エネルギーのロスを減少させる最適の手段という評価になります。
また、生きるスピードを早め、少ない石数で生きる目的達成することがいいことになるのです。つまり、手数が目的達成のおいての手数が問題になるのです。
18. ゲームのおけるエントロピーと経営学
囲碁のおけるゲーム理論からみたエントロピー的な思考分析は、一般社会での効率という価値認識の考え方において、数多くの共通性があるように思えます。これが、囲碁学習による教育的な効果といえるかもしれません。
19. エネルギーとは
エネルギーとは、自由電子に作用を及ぼし、それが熱や光や音や磁場に影響を与えます。そのため、変化を起こす流動的で間接的測定であれば可能な仕事量ということになります。
エネルギーの計算は、大きい場合には仕事量、小さい場合にはカロリーなどの数値として、その目的の応じて呼び名を変化させます。エネルギー本体を図る基準は存在せず、間接的な観測数値として捉えられています。
20. 3つの基本概念のグループ
自然科学では、
- 循環と進化と適応
- 質的変化(突然変異)と量的変化(発生と死滅)
- エネルギーとエントロピーとシナジー(機能性、関連性)
という学問として思考基準があります。
21. 囲碁での機能性としての価値
囲碁における「機能性という価値は、確定性というゲーム特性による支配構造になっており、そのため、この「確定性」と「効率性」との関係を、エントロピーにおける数値化のように、利用可能な数値化できるかが最大の研究テーマになります。 そのためには基本概念の理解が、理論にとって重要なのです。
ここでは、定量化と定性化という2つの問題解決が絶対条件になるため、非常に理論分析が難しいものになるのです。