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11/19 更新 |
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◆ 宮廷文化に根づいた碁の世界
8世紀奈良時代、日本文化に根づいた碁は、10.11世紀の国風文化の発展とともに皇族、貴族、僧侶、武士団の教養、社交及び遊びの文化として継承・発展した。
摂関政治の時代、囲碁は宮廷の貴婦人に愛好者が増え、彼女達に仕える女官にも碁は、必須であったと思われる。
日本の古典文学「源氏物語」「紫式部日記」「枕の草子」等に碁の対局風景が、しばしば登場する。
源氏物語第三帖の「空蝉(うつせみ)と軒端の萩の対局シーン」は具体的な描写があることで古来からとくに有名である。さらに「竹河(たけかわ)」「宿木(やとりき)」「手習(てならい)」等の巻きで、いろいろと対局のあでやかな情景を活写している。
その対局者は「宿木(やとりき)」の巻きの他は、みな女性であるのも注目してよい。紫式部は、その文中よりかなり碁を打ったものと推察される。
清少納言の枕草子第百八十七段、心にくきものを見てみよう「心にくきもの。夜いたう更けて、人のみな寝ぬる後に、外のかたにて殿上人など物いふに、奥に碁石、笥に入るる音のあまた聞こえたる、いと心にくし」。 |
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