碁の法則

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■ 30.構想を立てる条件

【300】 「理想図としての形」 の知識が必要である。

【解説】 構想を立てるには、構想の元となる理想図がどのような形であるのか知っていなければなりません。
理想図には
  1.地を囲うための形
  2.布石の形
  3.石を取られないため形
  4.石をとるための形
  5.活きるための形
などいろいろ形があります。

【301】 「検証力できる読み」 の力が必要である。

【解説】 第一番目に、自分が理想とする全体的な構図を考えます。それには自分の地を増やしたい場所。
  1.戦いが起こりそうな場所。
  2.相手の地が増えそうな場所。
  3.先手で打てる場所。
  4.弱い石がある場所。
を想定します。これらにもとに、自分の構図を作る順番を想定し検証していきます。


■ 31.構想を実現可能にするには

【310】 「着手制約の条件」 が読みの根拠となる。

【解説】 必然の読み筋になるためには、相手が活きる、逃げる手を打ってもらうことが必要です。このことを相手への着手制約と呼びます。つまり、取られてはいけない弱い石が出来れば、着手制約が生まれたことになります。着手制約には、その他、
  1. 地を囲わなければならない。
  2. 石が切られてはならない。
  3. 石を取らなければならない。
などがあります。

【311】 「構想を邪魔させない準備」 が必要である。

【解説】 地を囲う構想をたてた場合、いざ囲う手を打つと、その手が良い手ならば相手は必ず邪魔する手を打ってきます。また相手に地を囲わせようとすると反発してきます。反発される可能性がある場合は、まずその手を阻止する準備が必要になります。このような手段として、実戦では捨石や、打ち込みなど、いろいろ手段が用いられます。自分の構想が実現できて勝てることが、最終目標となります。


■ 32.構想を立てる基礎知識

【320】 「効率のよい手の意味」 を知らなければならない。

【解説】 一手の価値が高くなれば、必然的に勝つことができます。一手の価値には、全局的によい場合と、局所的によい場合があります。全局的な価値は、石の強弱の関係で生まれます。厚い石があっても、その周り攻めれる弱い石がないと、その価値は半減します。また勢力となる好点を数多く打ってあっても、逃げなければならない弱い石があると、地になりません。部分的な価値は、「利用できる空間が広い」「取られない安全性が高い」方が有利になります。

【321】 「反発や変化の理由」 を知らなければならない。

【解説】 反発や変化は、構想や打った手が正しいめに起こす相手の反応です。
その手を予測できれば、構想がさらに確実なものとなります。普通は、相手が全て受けてくれれば、必ず勝てなけれなりません。相手の受ける手の方が、後で打っているので、空間的に働きの悪い手になるためです。相手が受けているにもかかわらず、形勢がよくならない場合は、構想に対する考え方をもう一度見直す必要があります。棋力が同じ場合は、手抜きによって相手より、どれだけ先行できるかによって、その有利さを測定することもできます。


■ 40.着手制約の条件とは

【400】 「石が取られてはいけない」 ことから生まれる。

【解説】 地を囲うには、連続した壁の境界を作ることが必要です。その一部でも取られると、地を囲うことができません。つまり地を囲う前提として、石が取られないことが絶対条件になります。また消しに行った石が取られてた場合も、勝つことができません。普通はスピードの法則によって、ミスしない限り石が取られることはありません。このように読みの基本は、石が取れないことを基本としています。そして「取られてはいけない石は、逃げなければならない」という法則がうまれ、これが着手制約の条件が生まれる原理となります。

【401】 「地が減らされてはいけない」 ことから生まれる。

【解説】 地を囲うには数手の関連した手が必要です。そのため、一度囲うという構想をたてて着手すると、その途中で変更はなかなかできません。大きな地を囲うことが難しい理由も、連続して打たなければならない回数が多いためです。このように、囲う構想を立てると、相手の消しの手に対して全て受ければならなくなります。これが、相手に制約条件を与えることにつながっています。自分の地を囲うという構想を相手にわからせないようにする工夫が大切です。


■ 41.着手制約の行為とは

【410】 「石を取るぞ」 強制することである。

【解説】 着手制約は、相手に最大の手を打たせて利益を上げるという考え方です。ただしここでの利益は、逃げるという利益、取られないという利益であって、地が増えない利益になります。その反対に受けさせることで、少しづつ連続して、できるだけ長く地を増やす着手が、安全であり確実な手になります。このような「相手が受けなければ、石を取るぞ」という手が打てるためには、死活を練習することが最も有力な学習方法といえます。

【411】 「地を減らすぞ」 強制することである。

【解説】 着手制約は、相手に最大の手を打たせて利益を上げるという考え方です。ただしここでの利益は、受ける利益、守る利益であって、地は増えません。相手に受けさせることで、外側を厚くして、弱い石を攻める場合に利用します。戦いでこのような場所があると、消しの手を打った後の待ち伏せとして利用されます。その場合は逃げないと取る手と見合いにされないよう、注意が必要になります。


■ 42.着手制約の解除とは

【420】 「活きる」 と、制約が解除される。

【解説】 相手の石を攻めすぎて、反対に生かしてしまうと大変損です。活きた石ほど強い石はなく、今まであった、取られてはいけないという制約条件が解除になるため、攻めていた自分の石が反対に攻められることになります。「できるだけ簡単に活きさせない」「できるだけ遠くから攻める」ことが大切になります。またもう一手、手をかけて「相手の石を取ってしまう」と損する場合あります。この場合も逃げなければならない条件が解除されます。また、捨石として利用されると大変です。石を取る場合も、取り方に注意が必要です。

【421】 「繋がる」 と、制約が解除される。

【解説】 切断される場所があると、一手パスした状態、つまり手入れせずに、守ろうと工夫するため、手順に大変負担がかかります。このような切れる場所をのぞきなどで、簡単につながせてはいけません。また打ち込み手のある場所を守らせるのもよくありません、これらは、全て相手にあった制約条件を解除した手になり、一手以上の損をしている勘定になります。


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