5. 「囲えば石が取れる」 から急場が生まれる「囲えば取れるというルール」は、いいかえれば「囲われないように逃げないと取られるぞ」ということになります。どこに石を置ても自由であるというルールに、囲われると取られる、逃げないと取られるという条件をつけることで、今どこに打つべきかという急場の概念と着手が生まれることになります。
6. 「逃がす」ことで地が増えるまた囲碁用語には、「石を取る」、「石を殺す」といった社会的に好ましくない言葉が登場しますが、囲碁での基本的な考え方は、逃げないと取られるという状況を作りだすことによって相手に逃げるチャンスを与え、そのことで相手の打つ手を制限することによって、邪魔をされずに自分の地を囲うことが可能になるというゲームなのです。
7. 囲碁格言での重要な言葉 第一のキーワードこのことを最もよく表現した囲碁の格言として、「取ろう取ろうは取られのもと」といった言葉があり、これこそ「石は取れません。石を取ろうと思ってはいけません」ということを表現しています。つまり、相手の石を逃がす、生かすように誘導することが基本であり、その中にこそ必然でかつ自然な無理のない手にによって勝つことができるゲームが囲碁であると教えています。