碁の方程式

見えざる争点「隠れた天元の戦い」

2013/07/31

まえがき

隠れた天元の戦い 囲碁の研究とは、ゲームでの勝敗原因を科学的に明らかしようとする学問である。 近年の研究成果として、その勝敗原因が「隠れた天元の戦い」にあることがわかってきた。しかし、そのことは現役プロでさえ、気づく者は少ない。そのような戦いが存在することにさえ、十分に理解できていない。

第1部

  1. 戦いの流れ
  2. 隠れた争点
  3. 中央の戦いに強い者が強い
  4. 争点となる領域の意識
  5. 天元の領域の特性
  6. 天元での戦いを有利にする
  7. 構想と厚みの評価
  8. 構想の自由性と着手の制限
  9. 厚みとは
  10. 厚みの選択と効率
  11. 天元の戦いの重要性に気づけない理由(その1 定石がない)
  12. 天元の戦いの重要性に気づけない理由(その2 意識がない)
  13. 形勢の判断評価と構想
  14. 権利の先手
  15. 悪手と緩手
  16. 戦いの原因(構想の制約)
  17. 直接的制約と間接的制約
  18. 消しに対して、消しで反発する
  19. 全局的な手割論 条件その1
  20. 消しの手の減少と「権利の先手」の増加

第2部 基本ルールと特性(制約条件)

囲碁のゲームの特性は、「交互に打つ」「盤の広さが19路である」「死活がある」「コウがある」の4つのゲームルールが基本になって生まれています。この中でも前半の3つがその基本になります。そして、難解なゲーム性にもっとも影響しているのが、なんと不思議なことに「交互に打つというルールなのです。

  1. 手番を交互に打つことによる特性
  2. 19路盤の大きさの特性
  3. 石が取られる危険がある(死活と攻め合い)
  4. コウがある
  5. 結論